アニメ版 『僕だけがいない街』考察

アニメ版『僕だけがいない街』が3月25日の放映を以って最終回を迎えました。

あまりにも短い1クールという放送枠、原作の漫画の最終巻も発売されていない状況で、本当に完結できるか心配でしたが、意外に見終わった後の満足感は高かったです。

(ネタバレです)

原作との違い

これはもう放送枠の問題もあり、重要でないエピソードはバッサリ割愛されています。

主な違いを挙げると、以下のようなものです。

  • ユウキさんの細かいエピソード
  • アイリの個人的なエピソード
  • ヒロミの登場場面の幾つか
  • 澤田さんと母親のエピソード
  • ケンヤの父が弁護する事件

アイリについては多少ヒロイン的な扱いで重視されていたようですが、全面的には雛月に焦点を絞った感があります。

雛月に絞ったことで、メリハリが出て毎回ストーリーが盛り上がるところで次の回にうまく期待を持たせた終わり方ができたように思います。また、原作の漫画でも後半、特に7巻はストーリーの進捗が無くダラダラと連載を続けているような印象にもつながっているので、後半を省略しているのは正解だと思いました。

澤田さんとケンヤのエピソードの省略については少し残念です。

リバイバルしている主人公と異なりただの小学生であるはずケンヤの、小学生離れした態度や主人公への思い入れの理由が判明する重要なエピソードでです。

また、澤田さんとのエピソードも重要です。
物語冒頭では、母親との関係は微妙にギクシャクしたものとして描かれています。リバイバルで過去が描かれる中で、雛月事件を始めとする一連の事件で母親も事件に近いところにおり主人公の安全のために主人公を事件から遠ざけていた節があることがわかります。おそらく当時から主人公はリバイバル能力があり、だからこそ「僕なら救えた」と母親に訴えたのでしょう。母親はその後悔から主人公を救うため事件を封印し、そのことで主人公は母親への信頼を失ったのでしょう。

澤田さんのエピソードは、リバイバルでより深く事件を知った主人公が母親の危機感と真の思いを改めて知り信頼を取り戻す重要な転機として重要なのです。

これも後半の省略具合を考えると仕方ないですね。テレビ版では主人公の15年に及んだ昏睡後のエピソードは2話枠しかなかったですから。

原作を知っていると「あれ、あのエピソードは?」と気になってしまいますが、原作を知らずにアニメを見た方ならアニメの構成は簡潔に改良されていると思います。十分に楽しめるはずです。

アニメ版の出来について

漫画の原作は、決して絵がうまい方でないと思いますが、アニメ版は原作のキャラクターの印象を壊さずうまく絵のクオリティーを上げていたと思います。

久しぶりに真剣にアニメを見ましたが、日本のアニメの街の風景や人物などの描き方はここまで進化しているのかを驚いたくらいです。

もっともアニメを印象的にしているのは、音楽です。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌うオープニングテーマ『Re:Re:』もよいのですが、素晴らしいのはエンディングの『それは小さな光のような』です。

作詞作曲は梶浦由記さんのようですが、毎回余韻を残したストーリーで終わる本編の後、すっとこの曲が流れるエンディングはより本編の印象を強くします。まさに神曲です。

最後に声優陣です。

アニメの声優さんはほとんど詳しくないのですが、主人公の母親役をやった高山みなみさんと雛月を演じた悠木 碧さんの演技力には圧巻されました。

また、主人公の子供時代を演じた土屋太鳳さんについてはネットではいろいろ言われているようですが、個人的には子供の幼気さと主人公の意思の強さがよく出た演技で印象的な声でよかったと思いました。

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