アビガンは効果があるのか?

(更新日時 )

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アビガンのについての最近の報道が気になったので調べてみました。

(2020-05-20追記)

東洋経済オンラインの「 アビガンを妄信する人が知らない不都合な真実 」のようにそのリスクに警鐘を鳴らす記事も増えてきました。

下に書いたような問題の他に、以下のような課題がありそうです。

  • 現在行なわている「観察研究」で有効性が証明できず、証明のためにはブラセポ(偽薬)を飲んだ 対照群と比較するなど、もっと厳格な検証が必要。

  • 2014年の承認時ですら、季節性インフルエンザへの効能を証明できず、当時の薬事・食品衛生審議会 の議事録には、複数の委員が有効性と安全性と疑義を明確に指摘し、承認について反対を表明している。

こんなクスリが「未知のウィルスに効くかもしれない」という理由だけで異例の承認され、 今回はまるで特効薬のような扱いでメディアに紹介されるのを見ると、なんだか背後に どんな黒幕がいるんだと疑いたくなります。

COVID-19に対する治療薬の状況

厚生労働省の発表 によると、COVID-19の治療薬としてレムデシビルが特例承認されたそうです。

特例承認とは、以下の要件が必要とのことです。

  1. 疾病の蔓延防止のために緊急の使用が必要である

  2. 当該医薬品の使用以外に適切な方法がない

  3. 海外で販売などが認められている。

アビガンについては、レムデシビルが承認されたことで2番目の要件に成立しないように 思いますし、3番目の要件も満たしていないのでしょう。現状でアビガンを緊急で承認 しなければならない理由はないように思います。

なぜ、そんなにアビガンの承認を急いでいるのでしょうか?

アビガンを巡る異常な過熱

国内での報道を見ていると、まるでアビガンが唯一の特効薬のような印象を受けてしまいますね。

例えば、芸能人が感染しアビガンにより回復したとの報道が目立ちます。 問題は、意図的かどうか知りませんがアビガンによって回復できたとの印象を与える報道 となっている点です。

CNNなどの報道 を見ているとCOVID-19の致死率は当初言われていた2%よりもかなり低く0.66%とされています。

つまり、ほとんどの人は アビガンを服用するかどうかに関わらず回復する んです。 回復した芸能人がアビガンを服用したのは事実でしょうが、アビガンにより回復できたかどうか 不明です。

にも関わらず、政府はアビガン使用の拡大を5月中と発表したり対外無償提供を行ったりと、 積極的にアビガンを広めているようにも見えます。メディアもそれを煽るような報道が多い ように思います。

アビガンは安全なのか?

医療用医薬品については、行政独立法人 医薬品医療機器総合機構の 医療用医薬品 のページで確認できます。

「アビガン」で検索すると詳細を確認することができます。

アビガン錠の詳細 には以下のような警告が掲載されています。

1.動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと(「禁忌」及び「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。

2.妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること(「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。

3.本剤は精液中へ移行する1)ことから、男性患者に投与する際は、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)するよう指導すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと(「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」及び「薬物動態 2.分布」の項参照)。

4.治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること(「禁忌」、「重要な基本的注意」及び「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。

5.本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。

また、子供への投与については以下のように掲載されています。

小児等に対する投与経験はない。 〔動物実験において、幼若イヌ[8週齢]に1ヵ月間投与した試験では、若齢イヌ[7〜8ヵ月齢]の致死量より低用量(60mg/kg/日)で投与20日以降に途中死亡例が認められている。幼若動物(ラット[6日齢]及びイヌ[8週齢])では、異常歩行、骨格筋線維の萎縮及び空胞化、心乳頭筋の変性/壊死及び鉱質沈着などが認められている〕

尿酸値が高い場合は、副作用として尿酸濃度を高めることもわかっているようです。

罹患しても私はすぐには投与してもらおうとは思いません。

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